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建設業における顧問弁護士の選び方

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目次

この記事でわかること

  • 建設業が直面する“契約・労務・行政”の三重リスクと法務の重要性
  • グループ化やJV、DXなど成長フェーズにおける法務課題の実態
  • 業務スキーム全体のリスク設計まで担える顧問弁護士の選び方
アイキャッチ

建設業が直面する「三重リスク」と
顧問弁護士の必要性

  • 下請法違反や契約書の不備による支払いトラブル
  • 外注職人・下請け企業との契約未整備による労災・偽装請負リスク
  • 建設業許可・入札資格・監督官庁からの指導といった行政対応

契約リスク:下請法違反や契約書の不備

建設現場で最も多いトラブルの一つが、追加工事代金の「口頭発注」問題です。現場での急な変更に対し、書面を交わさず進めた結果、完成後に元請から「頼んでいない」「予算外だ」と支払いを拒否されるケースが後を絶ちません。

また、下請法や建設業法に抵触する不当な減額・支払遅延も深刻な課題です。顧問弁護士がいれば、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)の範囲を事前に明確化し、昨今の資材高騰に対応するための「スライド条項」を契約書に盛り込むなど、不利益を被らないための鉄壁の契約スキームを構築できます。

労務リスク:外注職人・下請け企業の労災・偽装請負リスク

建設現場を支える一人親方や下請け職人との関係には、常に「偽装請負」のリスクが付きまといます。実態として指揮命令系統が生じている場合、労基署から直接雇用とみなされ、多額の未払い残業代請求や社会保険料の遡及支払いを命じられる可能性があります。

また、現場での労災事故発生時、元請としての安全配慮義務違反を問われないための体制整備も急務です。特に「2024年問題」以降の長時間労働上限規制への適応状況は、万が一の事故時の過失割合や損害賠償額を大きく左右するため、弁護士による労務環境のリーガルチェックは不可欠です。

行政リスク:入札・監督官庁からの指導対応

建設業許可の維持や更新は経営の生命線です。コンプライアンス違反による指名停止や行政処分は、公共工事への入札資格を失わせるだけでなく、民間取引における社会的信用を失墜させます。

顧問弁護士は、経営事項審査(経審)を見据えた法務整備のアドバイスだけでなく、国土交通省等の監督官庁による立ち入り検査(巡回指導)の際にも、過去の判例や法令に基づいた適切な回答を助言し、不当な不利益を回避します。

日常業務で顧問弁護士が力を
発揮する場面

建設業の日常業務において、顧問弁護士は以下のような場面でその真価を発揮し、企業の安定的な運営を支えます。

外注業者との基本契約/見積書・注文書の内容チェック

協力会社との継続的な取引において、基本契約書のひな形整備や、個別の見積書・注文書の内容が法的に適切か、リスクがないかなどを継続的にチェックします。これにより、将来的な紛争の種を未然に防ぎます

労働時間・指揮命令系統に関する相談(偽装請負防止)

現場での労働時間管理の適正化や、外注職人との関係性における指揮命令系統の明確化は、偽装請負のリスクを回避するために不可欠です。顧問弁護士は、適切な契約形態や運用方法についてアドバイスを提供します。

ハラスメント/トラブル対応の
初動アドバイス

現場や社内でハラスメントが発生した場合や、近隣住民からのクレーム、製品・工事に関するトラブルが発生した際の初期対応について、迅速かつ的確な法的アドバイスを提供し、被害の拡大を防ぎます

追加工事代金の未払い・不当な減額への法的回収(債権回収)

書面がない追加工事であっても、諦める必要はありません。顧問弁護士は、日々のメールやLINEの履歴、現場写真、図面の変更指示などの断片的な情報を積み上げ、法的な証拠として再構成します。

内容証明郵便による強力な督促を行うだけで、相手方が「訴訟リスク」を察知し、スムーズな支払いに応じるケースも多いです。

また、悪質な未払いに対しては「民事留置権」の行使を検討するなど、建設業の実務に即した戦術を提案。キャッシュフローを停滞させない迅速な債権回収を実現します。

瑕疵担保責任・契約不適合責任を巡る施主・元請とのトラブル対応

引き渡し後に「壁にひびがある」「雨漏りがする」といったクレームが入った際、それが施工上の過失なのか、経年変化や設計上の問題なのかを切り分けるのは容易ではありません。

弁護士は責任範囲を法的に明確化し、相手方の過大な損害賠償請求を適正な範囲に押し戻します。特に施主が個人である場合、感情的な対立に発展しやすいですが、専門家が客観的な基準(指針や判例)を示して交渉することで、泥沼化を防ぎ、病院や店舗、住宅などの引き渡し後の紛争を早期に決着させます。

資材高騰・人手不足に伴う「工期遅延」の損害賠償回避

世界情勢による資材調達の遅延は、多くの現場で工期圧迫を招いています。これが契約上の「不可抗力」に該当するかどうかは高度な法的判断を要します。顧問弁護士がいれば、不可抗力条項を援用して損害賠償(遅延損害金)の免責を主張するためのロジックを構築できます。

また、人手不足を理由とした工期延長交渉においても、強気な交渉のバックアップを行うことで、元請や施主からの不当なペナルティを回避し、現場の無理な突貫工事による事故リスクを低減させることが可能です。

近隣住民からのクレーム(騒音・振動)や事故への迅速な初動

現場を止めないためには、近隣住民からの騒音・振動クレームや、万が一の物損事故に対する「初動」がすべてです。顧問弁護士が即座に法的見解を提示し、現場担当者への対応指示を行うことで、事態の悪化を防ぎます。特に悪質なクレーマーに対しては、弁護士が窓口となることで現場の負担を劇的に軽減できます。

事故発生時の損害賠償額の算定から、行政への報告義務の要否まで、スピード感を持ってサポートすることで、工事の進捗への影響を最小限に抑えます。

JV(共同企業体)やコンソーシアム内の責任・利益配分の整理

大規模案件におけるJV内では、構成員間での責任の押し付け合いが発生しがちです。JV協定書の不備を突かれ、自社が想定外の損失を被らないよう、事前に権利義務関係をクリアにする必要があります。顧問弁護士は、利益配分や費用分担の適正化をリーガルチェックし、他社との契約交渉を有利に進めるためのアドバイスを行います。トラブル発生後も、構成員間のJV内紛争を調停・整理し、円滑な共同運営を維持するための「潤滑油」としての役割を果たします。

このように、顧問弁護士がいることで、書類作成だけでなく、日々の業務に潜む「リスクの芽を摘む相談」が継続してできる体制が整い、企業にとって大きな安心材料となります。

「攻め」に転じる建設業が
直面する法務課題とは?

建設業が市場の変化に対応し、新たな成長戦略を推進する「攻めのフェーズ」に入る際には、従来の法務課題に加えて、さらに高度で複雑な法務課題に直面します。この段階では、単に「建設業法がわかる」だけの顧問弁護士では、もはや対応しきれない領域が出てくるでしょう。

グループ化や事業承継に伴う株式構造
・役員体制の再設計

事業の多角化やM&Aによるグループ拡大、あるいは円滑な事業承継を目指す際には、複雑な株式構造の整備、役員選任に関するガバナンス設計など、組織法務に関する高度な専門知識が求められます。

複数現場の一括管理体制構築
(責任構造の整理)

大規模なプロジェクトや複数の現場を同時に管理する際、各現場における責任の所在、契約関係、リスク管理体制を法的に一括して整理し、統括的なガバナンス体制を構築する必要があります。

技術提携・他業者との共同事業契約
(JV・コンソーシアム)

新しい技術の導入や、複雑な大規模プロジェクトを進める上で、他社との技術提携契約や共同事業体(JV、コンソーシアム)の組成が増加します。これらの契約は、責任分担や利益配分など、非常に複雑な法的検討を要します。

DX推進・新事業モデル立ち上げに伴う
契約設計/個人情報対応

建設DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、データ活用、BIM(Building Information Modeling)導入、AI技術活用など、新しい事業モデルを立ち上げる際には、それに適した契約設計や、個人情報・機密情報の適切な取り扱いに関する法務対応が不可欠です。

今の顧問弁護士が「建設業に疎い」と感じる理由

建設業法や最新の「改善基準告示」を正しく理解していない

建設業界には「一括下請負の禁止(丸投げ)」や「著しく短い工期の設定禁止」といった独自の規制が多く存在します。これらに疎い弁護士では、ビジネスの実態を無視した教科書通りの回答しか得られず、かえって現場が混乱します。特に2024年問題に関わる法改正や、労災における「建設業特有の過失割合」のキャッチアップが不足している弁護士では、攻めの経営は支えられません。

現場のスピード感に合わず、レスポンスが遅すぎる

建設現場のトラブルは、回答に数日かかればその分だけ重機のリース代や人件費が積み上がります。「担当弁護士と連絡がつかない」「正式な回答は来週になる」といった悠長な対応では、損失を拡大させるだけです。現代の建設法務には、現場からスマホで撮影した証拠写真をチャットツールで共有し、即日〜翌朝には明確な法的判断が返ってくるような「即応性」が求められます。

角を立てずに弁護士を切り替える・追加する手順

長年付き合いのある弁護士を変えるのは気が引けるものですが、まずは「セカンド顧問」として建設特化の弁護士を雇うのが賢い選択です。特定の紛争や契約チェックだけを新任に任せ、徐々に比重を移せば角は立ちません。バトンタッチの際は、過去の契約原本や係争資料をリスト化し、紛失を防ぐことが重要です。断り方に迷う場合は、「2024年問題への専門的対応のため」「法務体制を複数体制にしてリスク分散するため」といった、相手の能力不足ではなく「自社の体制変更」を理由にすれば、スマートに手続きが進みます。

今の顧問弁護士、
実力は足りていますか?

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実力ある弁護士の特徴や、企業フェーズごとの見直しタイミングを、弁護士監修のもと整理しています。
ご自身の状況に照らして、冷静に判断するヒントが得られるはずです。

失敗しない建設業向け顧問弁護士の選び方

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建設業が成長フェーズに入り、上記の「攻め」の課題に対応できる顧問弁護士を選ぶためには、以下の視点を重視しましょう。

下請法・労働安全衛生法・建設業法を
横断的に理解している

建設業の根幹をなすこれらの法律だけでなく、関連する民法、商法、労働法規など、多岐にわたる法規制を横断的に理解し、実務に落とし込める能力が必須です。

契約書レビューだけでなく、
業務スキーム自体のリスク設計ができる

単に契約書をチェックするだけでなく、企業の事業計画や業務フロー全体を理解した上で、潜在的なリスクを洗い出し、適切な法的スキームや契約構造を提案できる弁護士を選びましょう。

組織再編・M&Aにも強く、
中長期の経営判断を支えられる

将来的なM&Aや事業承継を見据え、その実現に必要な組織再編や資本政策について、初期の構想段階から法務面で相談に乗れる弁護士は、経営者の重要なパートナーとなります。

経営者とスピード感の合う
コミュニケーションが可能

建設プロジェクトは刻一刻と状況が変化します。経営者の迅速な意思決定を阻害しないよう、質問に対するレスポンスが早く、チャットやWeb会議など現代的なツールを活用してスムーズなコミュニケーションができる弁護士が望ましいです。

建設業界特有の商慣習への深い理解

「現場を知っているか」は絶対条件です。中抜き、多重下請、一人親方の実態など、業界特有の構造を理解している弁護士でなければ、有効な助言はできません。事務所のウェブサイトで建設業の解決事例を確認するだけでなく、実際に「現場への往訪実績」があるか、職人の気質を理解した交渉ができるかを確認してください。

契約書チェックだけでなく「現場の紛争解決実績」があるか

契約書のミスを指摘するだけの「評論家」ではなく、実際に未払金を「回収」し、行政処分を「回避」した実績を重視してください。訴訟一辺倒ではなく、現場の状況に応じて調停やADR(裁判外紛争解決手続き)を使い分け、コストと時間を最小限に抑える「実利」を重視した解決手段を提案できる弁護士が、真の良きパートナーです。

顧問料の相場と、自社の規模(年商・現場数)に合ったプラン

建設業の顧問料は月額5万円〜15万円程度が相場ですが、金額の透明性が重要です。「何回までの相談が含まれるか」「現場への急行は別料金か」を明確にしましょう。顧問料を単なる「安心を買う保険」ではなく、利益を守り、回収漏れを防ぐための「投資」として捉え、自社の現場数や年商に見合った最適なプランを提示してくれる事務所を選んでください。

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【監修】
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現場と経営を止めない顧問弁護士体制

賢誠総合法律事務所は、建設業界のお客様が直面する多岐にわたる法務課題に対し、豊富な実績と専門的な知見をもって支援を提供しています。

特に、建設業特有の取引スキーム構築、品質トラブル対応、そして複雑な労務・許認可問題に加え、グループ化、株式構造整理、共同事業契約といった法務課題にも対応可能です。

私たちは、単に「やめた方がいい」という間違った守りの法務ではなく、「どうすれば事業を止めずに、さらに拡張できるか」という視点で、貴社の挑戦を法務面から力強くサポートします。建設業の現場と経営の両輪を支える顧問弁護士として、賢誠総合法律事務所にご相談ください。

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