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顧問弁護士の費用相場

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目次

この記事でわかること

  • 顧問弁護士の費用相場と契約タイプ別の料金目安
  • 契約費用の差が生まれる背景や要因(相談頻度・専門性など)
  • 安すぎる顧問料に潜むリスクと選定時の注意点
アイキャッチ

顧問弁護士の費用相場はいくらくらい?

企業の法務体制を強化するうえで、顧問弁護士の費用相場は気になるところです。日本弁護士連合会(日弁連)が過去に行った中小企業向けアンケートによると、月額の顧問料は「3万〜5万円」の価格帯が最も多い結果となっています。また、近年の編集部による従業員規模50人以上の経営者89名を対象としたアンケート調査(2026年8月7日〜8月14日実施、Fastask)では、〜5万が29.9%、〜3万が19.5%、10万円超が16.9%という結果が出ており、企業の規模や依頼する内容によって変動が見られます。顧問弁護士を検討する際は、自社の予算と照らし合わせながら適切なプランを見極めることが大切です。

出典:弁護士報酬について│日弁連
・従業員規模50人以上の経営者89名へのアンケート調査(2026/8/7~8/14)│Fastask

契約タイプ別の費用イメージ

顧問弁護士の契約形態にはいくつかのタイプがあり、それぞれ料金体系が異なります。自社の利用頻度や依頼したい内容に合わせて、タイプを選ぶことが大切です。

月額固定型

  • 金額の例:月3万円〜5万円

一般的な契約形態で、毎月定額を支払うことで、一定の相談回数や対応範囲内でサービスを受けられます
定例相談や日常的な法務チェックなど、継続的なサポートを求める企業に適しています。多くの顧問契約はこちらのタイプです。

タイムチャージ型

  • 金額の例:1時間 2万円〜5万円

弁護士が業務に費やした時間に応じて料金が発生する都度精算型の契約です。
顧問契約を結ばず、特定の案件が発生した際に個別に依頼する場合や、顧問契約の範囲を超える専門的な案件を依頼する場合に適用されることが多いです。相談頻度が極めて低い企業や、スポットで利用したい場合に適しています。

ハイブリッド型

  • 金額の例:月額(月3万円〜5万円)+別途M&A対応など

月額固定料金に加えて、M&Aや大規模な訴訟対応など、特別な案件が発生した際には別途料金が発生する契約形態です。
柔軟かつ実践的な法務サポートを求める企業に多く採用されており、日常的な相談は月額固定でカバーしつつ、突発的かつ専門性の高い案件にも対応できるのがメリットです。

月額顧問料に含まれる主な業務

月額の顧問料を支払うことで具体的にどのような業務がカバーされるのかは、事前にしっかりと把握しておきたいポイントです。2009年の日弁連の中小企業向けアンケートによると、月3時間程度の時間を要する相談(調査時間等を含む)を月額顧問料の範囲内とする回答が60%近くに達しています。

出典・画像引用元:弁護士報酬について│日弁連

電話・メール・オンラインによる法律相談

日々の業務で生じるちょっとした疑問や法的な懸念点について、電話やメール、オンラインツールを使って気軽に相談できる体制が整います。わざわざ事務所に出向く手間を省きながらスピーディーに専門家の意見を聞けるため、トラブルの芽を早期に摘み取ることが可能になります。

契約書のリーガルチェック

取引先から提示された契約書や秘密保持契約書(NDA)に自社にとって不利な条項が含まれていないか、法的な観点から事前にチェックを受けられます。思わぬ法的リスクや将来の紛争を未然に防ぐための重要なサポートとなります。

労務問題・クレーム対応への助言

従業員との労働トラブルやハラスメントの相談、悪質な顧客からのクレームが発生した際に、適切な初期対応や法に則った解決策のアドバイスを受けることができます。感情的になりやすい場面でも冷静に対処する道筋を示してくれます。

債権回収や取引先トラブルの相談

売掛金の未回収問題や、取引先との間で生じた納品物に関するトラブルなどについて、法的手段を含めた具体的な対応方針を相談できます。自社の正当な権利を守りながら、円満な解決に向けた道筋を探ることが可能です。

法改正・新規事業に関する予防法務

めまぐるしく変わる関連法令の改正情報をタイムリーにキャッチアップし、自社事業への影響や対応策について助言を受けられます。また、新しいサービスや事業を立ち上げる際の法的な適法性をあらかじめ確認し、リスクを回避する予防法務に役立ちます。

社内研修やコンプライアンス支援

弁護士を講師として招き、コンプライアンスやハラスメント防止に関する社内セミナーや研修を実施してもらうことができます。従業員全体の間で法的な意識やコンプライアンスの重要性を高め、不祥事を起こしにくい組織風土を醸成する効果が期待できます。

顧問料とは別に費用がかかる業務

契約書をゼロから作成する場合

既存の雛形のチェックではなく、特殊なビジネススキームや個別の条件に合わせてゼロから本格的な契約書を作成する作業は、時間や専門的労力を要するため別途の作成費用がかかることが一般的です。

内容証明の作成・発送を依頼する場合

未払い金の請求や契約解除の通知などに関して、弁護士名義で内容証明郵便を作成し発送する手続きは、顧問料とは別のスポット費用として扱われるのが通常の仕組みとなっています。

相手方との交渉を依頼する場合

トラブルの相手方との間で示談交渉や法的折衝の代理人を弁護士に依頼する場合、電話やメールでの助言の範疇を超えるため、別途の着手金や報酬金などの費用が必要となります。

労働審判・訴訟を依頼する場合

裁判所を舞台とした労働審判や本格的な民事訴訟、調停などの法的手続きの代理業務を依頼する場合には、顧問契約とは切り離して個別の事件依頼として費用が発生します。

着手金・報酬金・実費の違い

事件や交渉を正式に依頼する際に支払う「着手金」、結果に応じて成果の度合いで支払う「報酬金」、裁判所の手数料や交通費などの「実費」のそれぞれの役割と仕組みを把握しておくことが大切です。

顧問契約による割引が適用されるケース

訴訟や本格的な紛争解決業務を依頼する場合、顧問契約を結んでいるクライアントに対しては、通常の弁護士費用から一定の割合(10%〜20%程度など)が割引かれる特典が用意されている事務所が多くあります。

費用の差が生まれるポイント

相談の頻度とボリューム

毎月頻繁に法律相談を行ったり、大量の書類チェックを依頼したりする場合など、想定される作業量やタイムボリュームの大きさに応じて顧問料の金額が引き上げられる傾向にあります。

企業規模と従業員数

企業の売上規模や従業員の人数が多い会社ほど、発生する労務問題や法務リスクの範囲が広がるため、事務所側が設定する顧問料の基本料金も段階的に高くなるケースが一般的です。

業種と法的リスク

IT業界や医療、金融、不動産など、高度な専門知識や特殊な規制、大きな法的リスクを伴う業種では、それに対応するための専門性が求められるため費用が高めに設定されることがあります。

契約書チェックなどの対応範囲

毎月顧問料の範囲内でチェックしてもらえる契約書の枚数制限や、対応可能な業務のカスタマイズ度合いによって、月額料金の金額に差が生まれるポイントとなります。

担当弁護士の経験と専門性

企業法務に特化し豊富な実績を持つベテラン弁護士や、特定の業界に精通したパートナー弁護士が担当する場合、個人のスキルやブランド力に応じて費用が割高になる場合があります。

回答期限・緊急対応の有無

通常の相談窓口よりも優先して迅速な対応を求めたり、時間外や休日も含めた緊急時の連絡体制をオプションとして追加したりすると、その分のコストが上乗せされることがあります。

法律事務所の体制と面談方法

個人の弁護士事務所か、複数の専門弁護士を擁する大規模な法律事務所かによって組織体制が異なり、対面面談の回数やサポートの手厚さに応じて価格設定が変わります。

安い顧問弁護士を選ぶ前に確認したい注意点

相談時間と回数に厳しい制限がないか

「安さ」だけに惹かれて契約したものの、月に数十分しか相談できなかったり、回数制限が厳しすぎてすぐに追加料金が発生したりしないか、規約の条件を細かく確認しておくことが重要です。

契約書作成などがすべて別料金ではないか

月額料金は一見安く見えても、実務で頻繁に発生する契約書のリーガルチェックや簡単な文章作成までもがすべて別途有料になっており、結果的にコストがかさんでしまうケースに注意が必要です。

担当弁護士と直接相談できるか

窓口となるのは事務員ばかりで、肝心の法律相談の際に実際の弁護士となかなか直接話ができなかったり、担当者が頻繁に変更されたりする体制になっていないかを確かめておきましょう。

緊急時の回答期限が決まっているか

トラブルが発生して早急な対応が必要な場面において、質問を送ってから何日も音沙汰がないといった事態を防ぐため、緊急時のレスポンスに関するルールや期限が明記されているか確認します。

自社の業種に関する実績があるか

どれほど費用が安くても、自社のビジネスモデルや業界特有の商習慣、関連法規に対する理解が乏しい弁護士だと、的外れなアドバイスになり実務で役に立たないリスクが生じます。

最低契約期間と解約条件に問題がないか

「1年以上の契約が必須」「途中解約の場合は残りの月額費用を全額支払う必要がある」など、万が一相性が悪かった場合の解約リスクや違約金の条件について事前に必ずチェックします。

料金よりも使える法務か、が
問われる時代へ

現代の企業経営において、意思決定のスピードはますます重要になっています。法務も例外ではありません。ただ安いだけの顧問弁護士では、このスピード感に対応しきれないフェーズに入っている企業も多く存在します。

これからの顧問弁護士選びでは、単に料金の多寡だけでなく、「その弁護士が本当に使える法務を提供してくれるか」という視点が問われます。つまり、顧問弁護士を選ぶ基準は、価格だけでなく、価値=スピード・提案力・専門性で選ぶべき時代になっているのです。企業の成長を加速させるパートナーとして、経営を法的に支えてくれる顧問弁護士を選びましょう。

費用だけでなく、
何が含まれているかを見て選ぶ

顧問弁護士を選ぶ際、費用は重要な検討要素の一つですが、価格だけで判断することは避けるべきです。大切なのは、その顧問料に「何が含まれているか」を正確に把握し、対応範囲・体制・対応スピード・担当弁護士の経験や専門性、そして何よりも「信頼性」を総合的に見極めることです。

顧問弁護士は単なるコストではありません。企業の法務リスクを軽減し、経営判断の質を高め、結果として企業の安定的な成長を促進する“投資”と捉えるべき存在です。自社の未来を共に築くパートナーとして、自社に合った顧問弁護士を見つけるために、ぜひこの視点を持って選定を進めてみてください。

自社に合う料金プランの選び方

依頼したい業務と相談頻度を整理する

自社が日頃どのような法律問題に直面しやすいか、月にどの程度の相談時間やサポートが必要かをあらかじめ社内で棚卸しし、必要なサービス水準を明確にしておきます。

複数の法律事務所から料金表・見積もりを取る

1社だけに絞らず、複数の事務所に連絡を入れて具体的な見積もりや料金表を取り寄せ、提供されるサービス内容と費用のバランスを多角的に比較検討することが大切です。

月額料金ではなく年間総額で比較する

月々の顧問料だけでなく、年間を通じて発生する可能性のある追加費用やイベント別のコストを含めた「年間総額」のコストパフォーマンスで比較して判断を下しましょう。

対応範囲と追加料金を書面で確認する

口頭の約束ではなく、どこまでの業務が月額料金の範囲内で、どこからが追加料金になるのかを契約書や重要事項説明書などの書面でクリアに確認しておくことが必須です。

初回相談でレスポンスと相性を確認する

多くの事務所が実施している初回面談や無料相談を利用し、担当弁護士の人柄や話しやすさ、問い合わせに対するレスポンスの速さや相性をしっかりと見極めましょう。

顧問契約とスポット依頼はどちらが得か

スポット依頼の一般的な費用

顧問契約を結ばず、トラブルが起きたときや書類作成が必要なときだけに単発で弁護士に依頼する場合、1時間あたりの相談料が1万円〜2万円程度、個別の事件処理にはまとまった着手金が必要になります。

顧問契約がある場合に安くなる業務

顧問契約を締結していると、日々のちょっとした法律相談が実質無料になるほか、万が一の裁判や契約書作成などの個別依頼の際にも通常価格から割引が適用されやすくなります。

年間費用で比較する

年間を通じて法律相談の頻度が極めて低い企業であればスポット依頼の方が安く済むことがありますが、日常的に相談や確認事項が発生する会社では、結果的に顧問契約のほうが年間総額を抑えられるケースが多くなります。

顧問契約が向いている会社

毎月のように契約書のチェックや労務・取引先に関する法的相談が発生する会社や、予防法務に力を入れてビジネスを安全に拡大していきたい企業には顧問契約が適しています。

スポット依頼でも対応しやすい会社

法的なトラブルや契約書の発生頻度が年に1回あるかないかという小規模な企業や、特定のスポット案件だけピンポイントで専門家の知見を借りたい会社にとっては、スポット依頼のほうが無駄な固定費を抑えられます。

牧野 誠司
監修 賢誠総合法律事務所
牧野 誠司 弁護士
牧野 誠司
価格だけで、企業は守れません

顧問料は“安ければよい”というものではありません。私たちは、費用に見合うだけの実力と応対力を備えた体制を整えています。

料金以上に大切なのは、「その法務が本当に会社を守れているか」。そう考える経営者の皆様と、誠実に向き合っていきたいと考えています。

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