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顧問弁護士との関係は、一度築くと長く続くものです。しかし、企業の成長とともに法務ニーズが変化したり、現在の顧問弁護士との間にギャップを感じたりするケースも少なくありません。
「顧問弁護士を変える」という決断は、簡単ではないかもしれませんが、信頼の質を更新することは、企業の法務体制を強化し、経営の質を向上させるために非常に重要なプロセスです。
多くの企業が、「現状で特に問題がない」「顧問弁護士を変えるのは手間がかかる」といった理由で、現在の関係を維持しがちです。しかし、その「今のままでいい」という判断が、いつしか見えないリスクへと変化する可能性があります。
企業は常に成長し、市場環境も変化しています。新しい事業への挑戦、拠点拡大、組織体制の変更など、企業の状況が変化すれば、求められる法務サポートの内容も変わってきます。現在の顧問弁護士が、そうした変化に対応できていない場合、知らず知らずのうちに法務上の穴が生まれ、将来的に大きなトラブルへと発展するリスクを抱え込むことになります。
では、どのようなサインが見えたら、顧問弁護士の見直しを検討すべきなのでしょうか。
顧問弁護士の交代は、一時的な手間がかかるかもしれませんが、企業に以下のような大きな変革をもたらす可能性があります。
現在の企業の成長フェーズや事業内容に適う専門知識と経験を持つ弁護士を選ぶことで、法務体制がより強固で効率的なものになります。不足していた専門分野を補い、新たなリスクにも対応できる体制を構築できます。
より深く企業のビジネスを理解し、的確なアドバイスを提供してくれる弁護士を得ることで、日々の経営判断の質が飛躍的に向上します。攻めの経営戦略においても、法的な裏付けを持った確信のある意思決定が可能になります。
新しい顧問弁護士の選定は、企業が法務ガバナンスを重視している姿勢の表れでもあります。これにより、社内においては従業員のコンプライアンス意識が高まり、社外からは取引先や投資家からの信頼獲得にもつながります。特に、名が通った弁護士を招聘することは、企業の信用力強化にも貢献するでしょう。
顧問弁護士の交代は、慎重に進める必要があります。以下のステップを参考に、円滑な交代を目指しましょう。
なぜ顧問弁護士の交代を検討しているのか、具体的な課題や不満点を明確にします。新たな顧問弁護士に何を期待するのか、具体的な要望リストを作成しましょう。
自社の課題解決に合った専門性や経験を持つ弁護士、コミュニケーションスタイルが合う弁護士を慎重に探します。複数の弁護士と面談し、比較検討することをおすすめします。
新たな顧問弁護士には、これまでの法務案件や企業情報について、丁寧に共有します。現在の顧問弁護士との契約解除の手続きと並行して、スムーズな引き継ぎが行われるよう、事前に準備を進めておくことが重要です。
新しい顧問弁護士の就任について、社内関係部署に周知し、連携体制を構築します。特に、法務関連の窓口となる部署や担当者への情報共有を徹底しましょう。
顧問契約を終了させる際には、必ず既存の顧問契約書にある「解約条項」を再確認してください。多くの契約では、期間満了の1ヶ月から3ヶ月前までに通知を行わなければ自動更新される仕組みになっています。この解約予告期間を見落とすと、変更したいタイミングで契約を終了できず、さらに1年分の顧問料を支払うことになりかねません。また、通知の方法についても「書面による通知」と限定されている場合、口頭や電話での連絡は法的な効力を持たない可能性があるため注意が必要です。まずは現在の契約が「いつまでに」「どのような方法で」解約を申し出るルールになっているかを精査し、そのスケジュールに沿った行動計画を立てることが、法的なトラブルを回避するために必要です。
契約期間の途中で解約する場合、残りの期間に応じた違約金の発生や、既払いの顧問料の清算が大きな争点となります。基本的には「中途解約可能」との規定があれば違約金は不要なケースが多いですが、成功報酬型の案件を依頼中の場合は、解約時点までの稼働分を日割りで清算するのか、あるいは一律の違約金が発生するのかを明確にする必要があります。また、月額顧問料に含まれる相談時間を超過していた場合の追加請求や、預り金の返還タイミングについても揉めやすいポイントです。清算が不透明だと、新旧弁護士の間で責任の所在が曖昧になり、会社のキャッシュフローにも悪影響を及ぼします。
顧問弁護士の変更時の引継ぎ作業に、実務的なリスクが最も潜んでいます。特に重要なものは「案件一覧」「対応履歴」「過去の成果物(契約書等)」の3点です。これらが適切に引き継がれないと、新弁護士はゼロから経緯を把握しなければならず、無駄な調査費用が発生したり、過去の法的見解との矛盾が生じたりします。特に係争中の案件がある場合、証拠資料の原本が旧弁護士の手元にあると、その返却が遅れるだけで訴訟活動に支障をきたします。引継ぎを円滑にするためには、旧弁護士に対して「預かり資料の目録」の提出を求め、漏れなく新弁護士へ渡す体制を整えなければなりません。
いきなり現在の顧問弁護士との契約を解除することに抵抗がある、あるいは特定の専門分野だけを強化したいといった場合には、「セカンド顧問」の導入を検討するのも有効な選択肢です。
セカンド顧問とは、現在の顧問弁護士との契約を維持しつつ、別の弁護士とも顧問契約を結ぶことを指します。これにより、現在の顧問弁護士に依頼しにくい分野の相談や、別の視点からのアドバイスを得ることが可能になります。特に、特定の新しい事業分野に進出する際や、専門性の高い案件が増加する時期などに、セカンド顧問は非常に役立ちます。まずはセカンド顧問として関係を構築し、その上で今後の体制を検討していくという、段階的で穏やかな見直しが可能です。
顧問弁護士を見直すことは、信頼関係を大切にするための一つの選択肢です。 関係を続けるか、変えるか──その判断にこそ、経営の姿勢があらわれます。
顧問弁護士を変えるタイミングは、企業が成長し、法務ニーズが変化した際に訪れる「信頼の更新」のタイミングです。現在の顧問弁護士との関係を漫然と維持するのではなく、企業の現状と未来に適したパートナーを選び直すことは、法務リスクを軽減するだけでなく、経営の意思決定の質を高め、結果として企業の競争力を向上させる重要な投資であると言えます。
「これでいい」ではなく、「もっと良くなる」という視点を持つことが、企業の質を向上させる第一歩です。
顧問弁護士との関係は、長く続けること自体が目的ではありません。
私たちは、企業のフェーズや課題に応じて「いま必要とされる法務かどうか」を見直す機会こそ、大切にすべきだと考えています。
必要であれば、セカンド顧問として相談いただけることも、誠実にお受けしています。
複数の子会社や関連会社を抱えるようになった際、各社バラバラの顧問体制ではグループ全体のガバナンスが効きません。組織の拡大に合わせて、ホールディングス体制やグループ全体のコンプライアンスを一括管理できる、組織力の高い弁護士への変更が推奨されます。
株式上場を目指すフェーズでは、一般的な企業法務とは異なる高度な専門性が求められます。内部統制の構築や定款の整備、証券審査への対応など、IPO特有の実務経験が豊富な弁護士へ変更することで、審査をスムーズに進め、上場後の成長基盤を強固にできます。
事業規模が拡大し、従業員数や取引先が増大した大企業には、個人の弁護士ではなく、各分野のスペシャリストが在籍する大規模法律事務所との契約が適しています。国際取引や複雑な労働問題など、多角化するリスクに迅速かつ組織的に対応できる体制へアップデートすべきです。
ベンチャーキャピタル等からの投資を受ける際は、投資契約書の精査や優先株の設計など、スタートアップ特有の法務知識が不可欠です。投資家との対等な交渉を支え、創業者の権利を守りつつ資金調達を成功させるには、ファイナンス実務に長けた弁護士への変更が鍵となります。
既存の法枠組みがない新規ビジネスを立ち上げる際、「できない」と止めるのではなく「どうすれば実現できるか」を共に考える弁護士が必要です。規制当局との交渉や業法確認に強く、ビジネスモデルの構築段階から伴走してくれるクリエイティブな視点を持つ相手を選びましょう。
次世代への経営権移譲を検討する時期は、親族間トラブルの防止や自社株対策が最優先課題となります。相続法だけでなく税務面にも理解があり、長期的な視点で資産防衛と経営の安定を両立させてくれる、承継実務に長けた弁護士を選ぶと交代がスムーズに進みます。
企業提携を成功させるには、契約締結のみならず設計段階からの顧問弁護士の関与が極めて重要です。法的な取り決めが曖昧なままでは、自社のノウハウ流出や不当な取引条件の押しつけを招く恐れがあるからです。知財保護やコンプライアンス、経営権の確保といった各フェーズで適切な助言を得れば、リスクを回避しつつ自社の利益を守り、提携を着実な成長へとつなげることが可能になるでしょう。
2024年問題への対応は、単なる制度改正への対応で終わる問題ではなく、荷主交渉やDX導入を含む継続的な経営課題です。これらを自社のみで完結させるのは難しいため、業界実務に精通した顧問弁護士に伴走を求めることが現実的な選択肢。専門家が法的根拠に基づく交渉やリスクの事前排除を担えば、現場の業務を止めることなく、コンプライアンスと事業成長を両立させた強固な経営体制の構築へとつながります。
36協定の見直しは、単なる形式上の更新ではなく、内容の適法性と実態との整合性を両立させる極めて重要な作業です。手続きの不備や上限規制への抵触は、法人だけでなく担当者個人の書類送検にもつながる重大なリスクを孕んでいるため、無難な内容調整に留めておくべきではありません。法改正や臨検へ適切に対応し、就業規則等と矛盾のない労務体制を築くためには、業務効率化まで踏み込んだ提案ができる顧問弁護士の存在が不可欠です。
JV(ジョイントベンチャー)では異なる企業同士が連携する形になるため、公平なガバナンス設計や知的財産権の帰属、利益相反の回避といった高度な法的戦略が不可欠です。適切な顧問弁護士は、LOI締結から事業運営に至る各段階で、デッドロック防止やエグジット戦略を策定し、紛争を未然に防止。実務経験が豊富な弁護士こそ、企業の拒否権を守りつつ事業を円滑に進めるための強固なサポーターです。
システム開発では納品遅延で高額な損害賠償請求が求められることもあるため、トラブルを未然に防ぐため、トラブル発生時に適切に対応するために弁護士に相談することが大切です。顧問弁護士を探すときは、ITやシステム開発トラブルに対する実績を持ち、知識やノウハウがあるかどうか、チャットなどで迅速に連絡が取れるかどうかをポイントにしましょう。
ストックオプション発行を顧問弁護士に依頼すれば、会社法や税法などの複雑な法規制をクリアして適正な設計を行えること、税制適格ストックオプションの要件を満たすための契約書作成ができること、予期せぬトラブルを防止できることなどのメリットがあります。顧問弁護士を選ぶときは企業法務やスタートアップ支援実績が豊富なところを選ぶのがおすすめです。
バイトテロが起こると瞬時に拡散し、企業イメージを低下させるだけでなく大きな損害が生じる恐れがあります。バイトテロに強い顧問弁護士は初動対応を迅速に行い風評被害を防止する、損害賠償請求を法的に適切に行うことができますし、バイトテロが起こらないように誓約書や就業起草を作成する、研修を行うなどの対応も可能です。
二重派遣の罰則回避のためには会社法や労働派遣法に精通した顧問弁護士により契約書・派遣実態チェックを行い未然に防ぐだけでなく、社内の理解を浸透させることも大切です。また、顧問弁護士が定期的な監査を行い、契約と労働実態が乖離できていないかチェックして改善を指示することで法的リスクを回避できます。
400社超の顧問契約実績をもとに、経営と法務の架け橋となる支援を実践。確かな専門性と組織体制で、企業法務の質を高める伴走型の支援を提供しています。
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